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180 Dreaming Of Kaleidoscopes

身の回りの自然環境に着想を得たサウンドスケープの制作や、コンピューターを用いた古典音楽の再解釈に取り組んでいる、カナダの潜伏作曲家Chris Wind。80年代からひっそりと続けている自主制作活動より、93年発表のカセットテープ。取り留めもなく夢の風景を辿る、夢日記仕立てのポエトリーシンセポップ。自作曲の密やかで危うげな爪弾きに、電子音で編曲されたおもちゃみたいな古典も交えながら、揺れ動く乙女の機微をまったり綴った一本。宅録の音情に厚く曇った音像、なにやらアブストラクトなスリーヴフォトの雰囲気も相まって、秘密の小部屋サウンドスケープといった趣き。大推薦盤!

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Yat-Kha

80年代旧ソ地下シーンに訪れた空前の大進化期の変化のうねりの中から現れた鬼才Ivan Sokolovsky(ex Notchnoi Prospect)と、トゥバの喉唄づかいAlbert Kuvezin(ex Huun-Huur-Tu)によって結成されたYat-Kha。希少になっている93年のオリジナルCD版。地の底から響いてくるような声、電気増幅した口琴、ゴング、その他もろもろの響きが厚く折り重なった濃密な異郷サウンドスケープから、ダビーに仕上げたトゥバ伝統呪謡、エグいボディビートで過剰に肉付けされたシャーマニックエレクトロまで全13曲。後に『Tundra's Ghosts』として世に出る新装版とは、収録曲もミックスも違うので別腹でどーぞ。強力!

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180
180 Caratteristici

編曲家/作曲家として数多くの名曲を生み出す一方で、放送用音楽業界を拠点にシンセを用いた電子音楽の制作にも取り組み、イージーリスニング/ムードラウンジの香気と型破りな実験性を備える宝石みたいなディスコグラフィーを残した、イタリアの巨匠Giampiero Boneschi。 ジャズや電子音楽とイタリア現代音楽のモダニズムが結びついた極めて高品位な国宝盤の数々が並ぶライブラリーシリーズの71年作。星空をひろげたような夢見心地の煌めきを放つムーグラウンジずらり。どこをとっても機知とユーモアに満ちていてめちゃくちゃヒップ。こういうのを信じ難いペースで量産していた才能大解放期の傑作。大推薦盤!

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Pretty Ugly

Ambitious Loversでお馴染みの二人がそれと同時進行で取り組んだ、コンテンポラリーダンスや舞台劇の為の音楽集。マルチメディアへの拡張を模索する新進気鋭の音楽を紹介した、Crammed Discの新機軸シリーズ"Made To Measure"から発表された90年作。現代的なエスノマインドと融合したミニマル室内楽の変種や、過剰盛りなカットアップの応酬に圧倒されるキレッキレの痙攣エレクトロなど全6曲。試聴は、振付師Amanda Millerの現代バレエの為に作曲された、Naná Vasconcelosらブラジル勢を含むAmbitious Loversの裏編成といった趣きの面々よる一曲から。大推薦盤!

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180
180 Violet Art Of Improvisation

メンバーそれぞれが、吸血鬼、死神、狼男、ゾンビ、ミイラの姿に扮した、やたらと手の込んだイタリア発のオカルトメタルバンドDeath SSの創設メンバー(死神役)として活動し、そこから斜めに逸れて電子音楽や即興演奏に接続された宛先不明の宅録実験へと踏み込んでいく、伊ドゥーム界の異端Paul Chain。81年〜86年にかけて録音された、瑞々しい狂気の煌めきを放つ初期音源をLP二枚に収録し、手描き番号入りの限定エディションとして発表した89年の自主制作盤。自ら至高の音楽表現と位置づける即興演奏によって録音された、破壊的な美意識にドぎつく染め上げられた逸脱マインドミュージック。強力!

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The Clearing

LAFMSやCold Blueのアーティストを含む80年代西海岸発の分類不可能な周縁音楽を、自身のレーベルTrance Port/Trance Port Tapesで紹介した名仕事の数々でも知られる、作曲家/プロデューサーBarry CraigのプロジェクトA Produce。500枚限定でリリースされた88年作。ポストパンク、ミニマリズム、民族音楽、ニューエイジ等が消化不全気味の際どいバランスで融合している全9曲。共同プロデュースはScott Fraser、異なる6種のヴァリエーションが存在するグラフィックアートはBruce Licher(ex Savage Republic)と、80年代西海岸地下シーンの創造力が凝縮した一枚。大推薦盤!

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180
180 Music Inspired By The Kinetic Sculpture Of Don Conard Mobiles

並外れた多才さを発揮して、ジャズをはじめ各分野で名仕事の数々を残したピアノ奏者/作編曲家Clare Fischer。75年に自主盤として発表された、同氏の独創性が色濃く投影されている電子オルガンの独演。モビール作家Don Conardのモビールとその展示空間の為に録音された、ある種の環境音楽としての機能も備える静謐な音楽空間。試聴は、光の動きを象った電子音のゆらめきに陶然となる『The Quiet Side』の一幕から。悪魔的に冴えわたる指づかい、空間を厚く覆うアブストラクトな陰影の質感も相まって、魔界味あふれる際どい仕上がり。モビールをあしらったスリーヴアートも魅惑。大推薦盤!

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All The Truth At Once

INA-GRMの作曲家たちを神と崇める駆け出しのサウンドエディターが、類稀な探求心と膨大な録音素材を総動員して生み出したミュージックコンクレートミュータント。現在は、テレビドラマやドキュメンタリーの作曲家/サウンドデザイナーとして一線で活躍している、鬼才John Wigginsによる86年作。環境音、他人の音楽、放送電波等が偏執的な緻密さで詰め込まれた、極めて高密度な騒音モザイク画。輪郭を失った素材がゆらりと漂いだす場面の不穏な静けさも含めて、重層的なテクスチュアの深みに圧倒される一枚。ズタズタのなかに歪なリズム形が見え隠れするブレイクビーツ感覚もあり。大推薦盤!

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180
180 Corinna's Dream

70年代から連なる独産エレクトロニックマインドミュージックの影響下で、リスニング志向を一層深めながらサウンドスケープ風のアプローチを模索した、ドイツのグループThe Kitchen / Musique Associativeの別働グループLiquid Sound改めLiquid Sound System。メンバーは、Christoph Hammer、 Frank Wiehe、 Michael Rippl。92年発表のこの自主制作カセットテープも含めて、関連作品の多くがヘッドフォンでのリスニングを推奨しているのが特徴。ジャズやミニマリズムの作法と現代的なエスノマインドが反応している、イメージ揺さぶる没入系脳内辺境エレクトロ全5曲。大推薦盤!

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Lol Coxhill + 突然段ボール

高度と稚拙、過剰とお手軽を自由に横断する日英の端境の住人二組が、音源を録音したカセットテープの交換を介して行った遠隔の宅録ミーティング。サボテンの希少盤でも知られる自主レーベルFloorから発表した83年作。脱力しきっているようで強靭なしなやかさを備える突然ダンボールの脱臼グルーブと、蔦木栄一自ら記したライナーにおいて”すっかんぴんの美学”と絶賛(?)している、吟遊サックス吹きことLol Coxhillの飄々としたサックスとの軽妙なせめぎ合い。あとひく歌心がゆら〜りと漂いだす『夏はかげろう』をはじめ、どこまでも逸れていく全9曲。80年代ニッポン逸脱ロック屈指の一枚。大傑作!

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180
180 Georgia I

多声合唱の最も古い形のひとつと云われるジョージアの伝承歌。この歌に魅せられ、Olivier Messiaenのもとで積み重ねた現代音楽家としてのキャリアを捨て、ジョージア伝承歌の研究と記録に取り組んだ、民族音楽学者Yvette Grimaudによって録音された71年作。異なる特徴を持つ各地域ごとの録音で構成。試聴は、馥郁とした陰影を湛える男声ドローンの揺らめきに乗せて唄われる、カヘチア地方の耕作唄から。時空を超えて響いてくるうような甘美な歌声にうっとり…。その他、ピグミーのコーラスやヨーデルに似たクリマンチュリの咆哮、狂熱の輪舞へと昂っていくミングレリア地方の祭り音頭など。大推薦盤!

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Caratteristici

編曲家/作曲家として数多くの名曲を生み出す一方で、放送用音楽業界を拠点にムーグなどのシンセサイザーを用いた電子音楽の制作にも取り組み、イージーリスニング/ムードラウンジの香気と型破りな実験性を備える宝石みたいなディスコグラフィーを残した、イタリアの巨匠Giampiero Boneschi。 ジャズや電子音楽とイタリア現代音楽のモダニズムが結びついた極めて高品位な国宝盤の数々が並ぶライブラリーシリーズに残した71年作。匂い立つようなスペースエイジラウンジから、そこに逸脱のスパイスをちらりと効かせた軽妙洒脱な小品まで、同氏の本領がもりもり発揮されてる圧巻の全12曲。大推薦盤!

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180
180 Scenes From A Mirage

伝統的なポルカの作法を基に、即興演奏、パンク、ミニマリズム等に接続された独自の拡張実験に取り組んだアコーディオン奏者Guy Klucevsek。80年代にかけて活動の拠り所となったNYダウンタウンシーンのサポートを得て制作された、出世作となる87年作。Pauline Oliverosとの出会いを経て到達した『The Flying Pipe Organ』に象徴される深遠なる音響現象の探究と、歓喜と哀愁の輪舞に淡い光の印象が滲む伝統的なダンスレパートリーを想わせる牧歌的爪弾きという、異なるふたつのアプローチが相容れる全7曲。スリーヴデザインはDavid Garland、音響エンジニアにはTom Coraをフィーチュア。名盤!

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Very Neon Pet

György Ligetiに師事したチューリッヒ出身の作曲家Peter Scherer。その後米国へと渡り、80年代NYダウンタウンシーンでの活動を経て発表した94年作のカセットテープ版。現代的なエスノマインドとエレクトロニクスの融合が醸し出す、アブストラクトな映像的イメージに覆われたイマジナリーサウンドスケープ。マルチメディア的な性格を持つCrammedレーベルの新機軸シリーズMade To Measureからリリースされた前作からさらに踏み込み、これ以降取り組んでいく映画や現代バレエといった異分野への拡張を予感させる仕上がり。ギターを弾いているのは、NY時代から度々共演しているArto Lindsay。大推薦盤!

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180
180 Popular Science

米露逸脱音楽の歴史的邂逅。ポストフリーの文脈から大きく逸れ、大道芸、メタルバンド、オペラ歌手、ヤギ、豚、その他諸々を一堂に盛り付けた狂乱の無礼講パフォーマンスをぶち上げ、大陸伝統のカーニバル的異空間を現代に甦らせたロシアの鬼才Sergey Kuryokhinの訪米時に、分類不可能な即興実験に取り組むお馴染みのギター奏者Henry Kaiserと共同制作された89年作。忙しなく空転する古今東西のイメージの応酬に圧倒されっぱなしの全19曲。過剰とお手軽を空中分解寸前のテンションで詰め込む両名の高次の遊びを堪能。試聴は空想民俗調の一曲から。犬+ミニマリズムも有り。大推薦盤!

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Haiku / Celebration

既成の音や演奏を素材にする手法を生涯に渡って追及し、晩年には『ハイパーリアル・ミュージック』と称する極めてラディカルなメタコンポジションの極地に到達する、異端作曲家Noah Crechevsky。同氏のテープ音楽の中でも最も攻めた作品のひとつに挙げたい寸断音声の乱舞『Celebration』を収録している84年作。面を分けるのは、60年代のNYに創設された黒人のダンスカンパニー"ダンス・シアター・オブ・ハーレム"の初代音楽監督として活躍する、キューバ出身の作曲家Tania Leòn。アブストラクトなテープ回路づかいに引き込まれる、俳句をテーマにしたアンサンブルピース『Haiku』を収録。大推薦盤!

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