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Genggong, Balinese Jews' Harp Orchestra
蛙と人間の少女を主人公にしたバリ伝統の舞踏劇に登場する、椰子の一種から作られる口琴ゲンゴンの集団合奏。丸ごと博物館に収蔵したい世界有数の民族音楽コレクション"ワールドミュージックライブラリー"から97年に発表された現地録音盤。世界でも珍しい口琴合奏のなかでも、ゲンゴンの合奏は鳴き交わす蛙の姿がイメージされているという超珍種。笛、太鼓、竹筒琴を交えた変則ガムラン編成に、好感度マイクが捉えた虫の音も加わって里山サイキックなトリップ感覚。さらに、より太い声で鳴く大型のヒキガエルをイメージしているという、壊れたハーモニカみたいな音をだすウングンなる口琴の合奏も。世界はひろい…。 LISTEN |
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Zwei Quintette - Two Compositions By Rudiger Carl
アコーディオンを用いた拡張的演奏の技巧、古典と現代/作曲と即興の境界を無効化する無軌道な好奇心、ダダイスティックな態度に貫かれた不遜なユーモアのセンスでもって、つわもの揃いのドイツ即興シーンにおいて唯一無二の存在となっている鬼才。Stephan Wittwer、Jay Oliver、Irene Schweizer、Phil Wachsmannを迎え、FMP主催の即興道場"Workshop Freie Musik"において録音された88年の二枚組。屈折した歌心と反様式的な優美さに満ちた演劇的パフォーマンスを堪能したい『Count』、アブストラクトな陰影の空間が浮かび上がってくる『Whirls』の長編二編。掛け値なしの傑作。 LISTEN |
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Tellus #15 - The Improvisors
カセットメディアそれ自体をアートフォームとして捉える手法も含めて、80年代地下カセットカルチャーを象徴する最重要アーカイヴとして珍重されている、NY下町発のオーディオカセットマガジン『Tellus』。 The Rouletteで三日間に渡って行われた伝説のイベント『Stephanie and Irving Stone Festival of improvisors '85』から編集された15号。Christian Marclay、Tom Cora、Fred Frith、Bill Frisell、John Zornら、NY下町を拠点に活動する一線の演奏家たちが、編成をローテションしながら繰り広げる五感六感総動員の即興ミーティング。Anthony Colemanの荒ぶるオルガンづかいから試聴どぞ。大推薦盤! LISTEN |
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Des Pas Et Des Mois
ターンテーブルと他人のレコードを使った実験に80年代から取り組む、カナダの異能ターンテーブルづかいMartin Tétreault。北米におけるロック解体の最前線であるケベックシーンを先導する鬼才René Lussierが参加した90年作。他人のレコードをぶった切ってくっつけた継ぎはぎレコードの寸断ループ。一見全く無関係な音源(カーネギーホールのムード楽団とソビエトの合唱団とか)の互換性が露わになったり、そこにギターやサックスの即興的応酬が加わったりと全編とってもスリリング。スクラッチノイズをビートに転用するお得意の技も冴えまくり。インサートには継ぎはぎレコードの解説図も。大推薦盤! LISTEN |
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Australian Sound Sculptures
音響的に空間を定義する行為を彫刻と空間の関係性に擬え、『Sound Sculpture』と呼んだサウンドアーティストBill Fontana。サウンドアート名門独Edition Blockから発表された90年作。シドニー湾北側のキリビリ埠頭にある浮き桟橋で76年に録音された代表作のひとつ『Kirribilli Wharf』を収録。浮き桟橋と波打つ水面の間にある無数の円筒によって生成される干渉音を素材にした、8つのマイクを用いた拡張的マルチトラック録音作品。変化に富んだ圧縮音のリズムと桟橋の軋みが醸し出す、没入感マックスの五感的サウンドスケープ。どっか知らない星の民族音楽きいてるような味わいもあり。大推薦盤! LISTEN |
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Ringparabel
人の手では演奏不可能な音楽構造の探究に取り組んだ自動ピアノづかいConlon Nancarrowが残した作品の再解釈に取り組みながら、自身も空気圧式自動ピアノPhonolaを用いた作曲に取り組んでいる、ドイツのサウンドアーティストWolfgang Heisig。ゲーム仕立てのスコアチャートを用いて作曲されたミニマルミュージックの変種2曲を収録している93年の七吋盤。その実践ツールとして、図形譜が印刷された八角形の透明プラ板スコア(大小6枚)が付属している魅惑のサウンドアートキット。本盤を含め、ユニークなコンセプトピースや自動ピアノの為の紙ロール譜を販売しているご本人サイトも必訪。500枚限定。大推薦盤! LISTEN |
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Gyermekeknek
1908年から1910年にかけて作曲された子供音楽教育の為のピアノ曲集。現在のハンガリー、スロバキア、ルーマニアの村々で収集した民謡、わらべ歌、哀歌、名もないバラード等をもとに編曲された、バルトークの最初の大規模な民謡編曲作品でもある歴史的作品。ハンガリーの音楽教師Szegedi Ernoによる演奏をLP二枚に渡って収録した、57年発表のハンガリーQualiton盤。装飾や技巧を排した編曲に際立つ、素朴な旋律と温かみのある唄の情感にしっぽり。静謐な音場の雰囲気も相まって、しみじみと聴き入る名演揃い。Orff Schulwerkをはじめとするその後の子供音楽教育に与えた影響も大。大推薦盤! LISTEN |
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Retrofuturism #13
労働と芸術をめぐるアーティストたちによる抵抗運動『アート・ストライキ』をテーマに刊行された、アイオワ発の地下アートマガジン『Retrofuturism』の90年の13号。テキスト、音盤レビュー、アートワークに加えて、拡張メディアユニットThe Tape-Beatlesによって編集された七吋コンピ(33回転)が付属する特別号。既成音源の盗用、引用、略奪によって、創造と破壊の概念をひっくり返したお騒がせ男John OswaldによるMystery Lab, Project 'P'をはじめ、鬼才チェロ奏者Fredrick Lonberg-Holmの謎企画The Fleeing Villagersなど、戦略的にサンプリングを多用する急進派4組の全5曲を収録。大推薦盤! LISTEN |
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No Dance (Soundtrack From The → ↑ → Film)
David Chesworthと共に70年代メルボルン郊外発の学際的なアートムーヴメントの最前線から現れ、音楽、映像、グラフィック、その他もろもろに相互接続された拡張メディアーティストとして現在も一線で活動している、鬼才Philip Brophyが率いたグループ→ ↑ →。ダンスカルチャーをめぐる考察を映像化した85年の自作映画『No Dance』のオリジナルサウンドトラック集。誇張されたビートがどたばた打ち込まれる、Arthur Russellのディスコワークスなんかにも一脈通じる変態エレクトロファンク。治外法権的アプローチでダンスミュージックを解体するお得意の手法がここでも冴えまくり。大推薦盤! LISTEN |
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S.Y.P.H.
70年代末期にドイツ各地の都市で同時発生した挑発的な地下パンクムーヴメントに共鳴するように、西部の都市ゾーリンゲンで結成されたオリジナルポストパンクグループS.Y.P.H.。ポストCANとも云われた実験的な作風へと変化していくなかで発表された81年作。80年の『Pst』からプロデューサーに名を連ねるHolger Czukayが、本作では演奏でも全面参加。ポストパンクを経由してCANの影響下で覚醒されたミニマリズムの独自解釈と、環境音や即興的な爪弾きから培養される五感的なテクスチュア。ぼんやり彷徨うアブストラクトなグルーヴを堪能できるロングトラックを含む全6曲。大推薦盤! LISTEN |
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Song Of Humanity(Kanto Pri Homaro)
AACM創設時からの活動拠点であったシカゴからニューヘヴンに移り住み、絵画的な記譜法や創作楽器といった革新的な音楽言語を模索した、最充実期のLeo Smithが率いた即興グループNew Dalta Ahkri。 77年発表の自主制作盤。Oliver Lake、Wes Brown、Pheeroan Aklaffという無敵の編成に加えて、この後にガムラン音楽やミニマリズムの作法を取り込んだ革新的なスタイルを打ち出し名を上げる、当時新進気鋭のAnthony Davisをフィーチュア。試聴は、そんな才気迸るAnthony Davisの作曲による、即興と作曲の有機的な融合から導き出される比類ない構築美に圧倒される名演から。大推薦盤! LISTEN |
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Achtung Debakel!
治外法権的アプローチで音楽制作にも取り組むコンセプチュアルアーティストAlbert Oehlen、同じく現代ドイツ美術の一線で活動する画家André Butzer、そして80年代ハンブルク発のインディームーヴメント『ハンブルガー・シューレ』の先導者のひとりであるSchorsch KamerunことThomas Sehlという、ゲルマンポップカルチャーの異端分子三名によるグループTitan Katzen。Meeuw Muzakの初期カタログより03年の七吋盤。露悪的なサンプリングづかいに変な中毒性があるタイトル曲など、過剰とお手軽が相容れるAlbert Oehlen関連作に共通するむき出しのバッドテイストを堪能したい2曲。大推薦盤! LISTEN |
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Outrelande
東洋と西洋、古代と未来とを自在に行き来する四次元の旅人Jean-François Gaëlが率いたフランスのグループSonorhc。未知なる異世界への想像上の旅に擬えた三作品のうち、入手最難関となっている82年の自主制作盤。オリジナルメンバーのPierre Buffenoirに加え、70年代仏ポストフリーの周縁から現れたArcane VのPhilippe GumplowiczとYouval Micenmacherが参加。時空を超えるエスノマインドと五感的な空間づかいで仮想異郷奥地へと踏み込んでいく地球外ジャズ『Shaï』など、同国に根付く多民族フォークロアの豊かさがどっか遠〜い宇宙の果てで実を結んじゃった感じの全12曲。一生ものお探しの方に。 LISTEN |
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Muzyka Filmowa
ポーランド映画界の真の異端者Andrzej Żuławski監督との長年に渡る協働で知られ、『悪魔』('72)、『ポゼッション』('81)、『シルバー・グローブ/銀の惑星』(’87)を含む多くの作品で、その狂的な映像世界をドぎつく彩る実験的スコアの数々を生み出した、孤高の作曲家Andrzej Korzyński。深淵へと踏み込んでいく前夜の揺れ動く機微が投影されている、72年発表の初期映画音楽集。同監督との最初期の仕事となる、サイケデリックロックとの魔術的融合『夜の三部作』の他、巨匠Andrzej Wajdaとの仕事も。ご本人の手による、全体が一篇の組曲のように再構築された構成も圧巻。大推薦盤! LISTEN |
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Voices Of Matsalu - Matsalu Haaled - Голоса Матсалу
エストニア西部ヴァイナメリ海を臨む沿岸の広大な湿地にひろがる、ヨーロッパ有数の野鳥の観測地として知られる自然保護区マツァル国立公園において、76年から三年間に渡って録音された79年作。葦原、牧草地、砂州、小島といった観測地で鳴き交わす野鳥たちの営みを収録。録音は、エストニアの豊かな自然環境の録音に情熱を注ぎ、自身が企画したラジオのサウンドスケープ番組を通じて、エストニアの人々の国民的自然史観に大きな影響を与えた生物学者Fred Jüssi。音声解説が一切ない点も含めて、自然環境に静かに寄り添う思慮深い眼差しを感じさせる大変高品位なサウンドスケープ作品。大推薦盤! LISTEN |
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Bardo Thodol
電子音楽求道者の間では、現代バレエの為に制作されたKyriakos Sfetsasによる傑作『Smog』のリリース元として知られる、フランスの地下レーベルScorpiosに残された78年作。作者は、同レーベルに二枚の実験作を残しているマルチ奏者/作曲家Roland Hollinger。チベット仏教の経典『死者の書(Bardo Thodol)』をテーマに、49日間に渡る死後の世界への旅を綴ったあの世サウンドスケープ。クラウトロックの影響下で醸成された汎東洋的な涅槃イメージに重ねて、空間的に拡張されたハーディガーディをフィーチュアしているところがミソ。初期Popol Vuhを想わせる、音楽を通じたイマジナリー神秘体験。大推薦盤! LISTEN |