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Trail Of Destruction
70年代の米西海岸で匿名の芸術家たちによって組織され、合体増殖変身を繰り返しながら40年以上に渡って分類不可能な活動を繰り広げている、米国逸脱音楽史のなぞなぞブラックホールBig City Orchestra。メールアートネットワークに接続された80年代の膨大なカセットテープ作品群より、フランスの地下レーベルから発表された87年作。試聴は、原始的な電子回路を用いた奇妙な宅録ミニマル工作から。その他、仮想民族音楽風、ぼんや〜り浮遊する虚脱気味の謎電子音楽など、ほとんど狐につままれてる気分の全5曲。この実体の無いアブストラクトな彷徨い感が持ち味。大推薦盤! LISTEN |
Canti Illuminati
MEVでの急進的な即興実験を経て、音楽のより根源的な起源へと探求を深めていった最充実期の名盤。73年〜77年にかけて録音された人間の声と唄の音源を基に、フィードバックシステムとシンセサイザーを用いて制作された82年作。自身の唄、即興による合唱、家族の集まりで録音された父親の唄、フィレンツェの洗濯婦の鼻歌、それらを電子音響を交えた五感的なミックスワークによって構造化した、唄の風景を巡る極上の霊性サウンドスケープ。試聴は、霧笛の遠鳴りに音声が重なる冒頭の一幕から。調和的な光の印象に満ちた詠唱ミニマルへと結ぶ、終盤にかけての感情を揺さぶる展開も秀逸。一生ものお探しの方に。 LISTEN |
Attenti Al Fuso
出自であるブルースからの逸脱と、ポストフリーを模索する英国ジャズ最前衛との共演をを経て、ポリネシアあたりの想像上の南国イメージを拠り所とする個人的なサウンドスケープ探求に着手、還暦間近の90年代の終わりにとうとう脳内辺境最奥の景色に到達し、以来80歳を過ぎた現在も未知なるサウンドスケープを模索し続けている、四次元の旅人Mike Cooper。その脳内旅の模様が刻まれた自主CDRレーベルHipshotから発表された02年作。英国レゲエの先駆者G.T. Mooreが繰り出すダブビートと、御大の想像力過多なエキゾイメージとが反応している不穏グルーヴの数々。ほとんど悪夢。大推薦盤! LISTEN |
Tempest
カセットメディアを介して世界各地の潜伏アーティストを結んだ80年代メールアートネットワークの最重要ハブとしての影響力も計り知れない、オランダの都市ズヴォレ発の地下音楽集団兼自主レーベルDe Fabriek。第四世界、ミニマル、テクノ、アンビエント等、あらゆる角度から再解釈が進んだ現在も尚オルタナティヴな視点を提供し続ける膨大な作品群より、94年発表の一枚。脳内辺境奥地へと続く激イマジナブルな地球外クロスオーヴァー(Bサイド全面)だったり、阿波踊りを過剰ブーストした感じのゴリ押し原始テクノだったりの全6曲。砂絵のシンボルアートが施された500枚限定仕様。大推薦盤! LISTEN |
Chris Wind’s Christmas Album
身の回りの自然環境に着想を得たサウンドスケープの制作や、コンピューターを用いた古典音楽の再解釈に取り組んでいる、カナダの潜伏作曲家Chris Wind。80年代からひっそりと続けている自主制作活動の初期の作品となる、90年のクリスマスソング集。ヴォーカルとしてクレジットされているPeg Tittleなる人物の唄も絶妙な『ママがサンタにキスをした』のパロディをはじめ、どこを取っても自宅録音の音情に打たれる全14曲。おもちゃみたいな電子音の質感もいい感じ。駄菓子のおまけみたいな乙女オブジェクトがペーストされた、一本一本異なる手製スリーヴ。聖夜のお供にどーぞ。 LISTEN |
Breathe On The Living
内なる世界に耳を傾ける全ての詩的探求者の為のレコードとして、ライト州立大の生徒が運営する美術誌"Nexus"によって制作された、89年の三枚組コンピ。ビートニクに連なる異端詩人をはじめ、Michael Hurley、Angus Maclise、Loren Connorsら、米国オルタナティヴカルチャーの異端史を体現する面々がずらり。試聴は、シンセ奏者と詩人の無名コンビによる一曲から。ビートニクと親交を結んだ放浪詩人ナナオサカキが長野県大鹿村で音楽家や農民と行った伝説のセッションや、本盤の構成/スリーヴフォトを手掛けているサイケデリック導師Ira Cohenによって紹介されたスーフィー教団の秘儀も収録。大推薦盤! LISTEN |
Hope For La Roo
マルチプレーヤーとして一線の音楽家たちと共演を重ねる傍ら、持ち前のオープンマインドなクロスオーヴァー志向に基づく独自の作曲活動に取り組んでいる、米国の作曲家David Oliver。自主レーベルDamiana Recordsから発表した84年作。世界各地の民族音楽への探求や、樹木、土、水、風といったエレメンタルなイメージを、ミニマリズムとジャズの余白に落とし込んだ感じの大変良質なコンテンポラリーサウンド。試聴は、きらきらと乱反射する瑞々しい光の印象に包まれる一曲『Willow』から。アンビエント/ニューエイジ経由のアップデートされた視点からも絶賛再評価中。大推薦盤! LISTEN |
Atto V
Vladimir Chekasin、Vyacheslav Ganelinと共に、旧ソビエト末期にかけての空前のジャズ大進化期をぶっちぎりで先導し、その後も演劇、ダンス、インスタレーションアート、映像、その他もろもろに接続された極めて独創的な拡張実験に取り組んでいる、リトアニアの特殊打楽器奏者Vladimir Tarasov。その哲学がダイレクトに投影された、ソロシリーズ『ATTO』の91年の5番。全1曲49分間に渡って繰り広げる、空間認識の構造と変容を探る激サイキックな即興パフォーマンス。謎めいたサウンドスケープから、ミニマルなシンセシーケンスと交わる後半への思索に富んだ運びも絶妙。オリジナルデッドストック発掘。 LISTEN |
Batang Frisco
80年代ベイエリアの地下シーンから現れた二名のシンセミニマリストEric JensenとBill DiMicheleによって結成された、タガログ語で『サンフランシスコの子供たち』を意味するBatang Frisco。ミニマルシンセ求道者の間で珍重されてきた一枚ですが、ニューエイジ/アンビエント経由のアップデートされた視点からも再発見されている86年の自主制作盤。荒ぶる冒険心と内向きな歌心の狭間で揺れ動く、危ういきめらめきを放つミニマルシンセの変種全8曲。試聴は、Numeroレーベルによって編集されたポストモダンミックス『Reach』にも収録された、音情豊かなサウンドスケープ『Myth』から。大推薦盤! LISTEN |
Vagif Mustafa Zadeh
古代シルクロードによってもたらされた多様な異文化の混交を起源とする、アゼルバイジャンの神秘の音楽ムガム。即興を根本とするムガムとジャズの接点を見出し、79年に39歳の若さで亡くなるまで、古代と現代を結ぶ前代未聞の融合実験に打ち込んだ、ムガムジャズ創始者Vagif Mustafa Zadeh。ご当地レーベルによって、残された国宝級秘蔵音源の中から選曲された04年作。古今東西絡み合う複雑な織り模様から立ち上がってくる魔術的グルーヴの数々。電子オルガンの即興的な爪弾きや断片的テーマが現れては消えていく、探求と創作のモンタージュ『"Bayatı Şiraz"』など全11曲。大推薦盤! LISTEN |
Music With Children - Playing The Recorder
フォークロアに着想された人懐っこい曲想や、誰でも簡単に演奏できるよう配慮された玩具楽器に象徴される、大作曲家Carl Orffによって考案された、エレメンタルムジークと呼ばれる原初的音楽を基にした子供音楽教育の経典『Orff Schulwerk』。米国で最も早くからこの手法を取り入れた学習プログラムの普及に取り組み、全米各地の公立学校制度に導入した功績で知られる、音楽教師Grace Nash。オルフマナーに倣ったレッスンの模様を、ちびっ子アンサンブルの実演を交えながら解説した67年の教材レコード。淡い光の印象を放って揺れる玩具楽器のドリーミンな響きにうっとり…。大推薦盤! LISTEN |
Three Voices
消え入るようなピアニシモの揺らめきと、6時間に及ぶこともあった極端に長い演奏時間に象徴される、虚空の境地に達していた最晩年の傑作。84年にケルンで録音され、20世紀音楽の至宝コレクションEdition Michael Frauenlob Bauerから没後に発表された89年作。詩人Frank Oharaと画家Philip Gustonという二人の芸術家の死を偲んで作曲された、3つの声楽パートから成る作品。唄はソプラノ歌手Beth Griffith。死者の声を媒介する、墓石に擬えた二台のスピーカーとの共演が想定されているという、四次元との対話とも云うべき多重録音の錬金術。『雪が降る…』のリフレインの美しさに息をのむ。大傑作! LISTEN |
Salt Saliva Sperm And Sweat
David Chesworthと共にオーストラリア地下音楽の最前衛から現れ、音楽、映像、グラフィック、その他もろもろに相互接続された拡張メディアーティストとして現在も一線で活動している、鬼才Philip Brophy(ex → ↑ →)。カルト映画として珍重されている、自身で監督/脚本/音楽を手掛けた最初の長編映画『Salt Saliva Sperm And Sweat』の為に制作された89年作。映画のテーマでもある『肉体(人体)』が発する音から合成された電子音を用いているという、文字通りのボディエレクトロ。映画を基にMV風に編集されたショートムービーを視聴できるご本人サイトは必訪。ジャケはお部屋に飾ろう! LISTEN |
Blurred Genres
Alvin lucierやRobert Ashleyに師事した70年代を経て、自作電子楽器の他、作曲アルゴリズムや合成音声といったコンピューターテクノロジーに接続された様々な拡張実験に取り組んでいる、ボストン出身のサウンドアーティストRon Kuivila。オランダの名物オーディオアートレーベルSlowcanから発表した86年作。カリフォルニアを拠点とするダンスカンパニーDiscordancersの為に制作された、振付師/ダンサーSusan Fosterとの共作を収録。持ち前の手仕事感が絶妙なズタズタの切り貼りエレクトロから剥き出しの原始テクノまで、ダンスミュージックの変種全6曲。200本限定手描きエディション番号入り。強力! LISTEN |
Le Bala Et La Mouche
民族音楽研究家として培ったフィールドワークの成果を基に、嘗てJon Hassellによって開かれた第四世界の音楽と共鳴する想像上の音楽理想郷を探求し続ける、イタリアの作曲家Paolo Modugno(ex O.A.S.I.)。国営ラジオチャンネルRAIの放送プログラム為の音源を中心に構成された94年作。超越的な響きのフォースを放つ持ち前の空間づかいは益々冴え渡り、世界各地の風景と実際の演奏とがシームレスに融け合う、世にも豊饒なイメージに満ちた響きの涅槃に到達。Giancarlo Schiaffiniとの共演で知られる、ペルシャ伝統の打楽器ザルブの奏者Mohsen Kassirossafarが参加。大推薦盤! LISTEN |
Numbers Racket Just Intonation Network Compilation Volume II
『…平均律ピアノを捨て、未来の革命に備えよ』というスローガンのもと、84年から20年以上に渡って、純正律の奥深さを広める機関紙の発行やライブイベントの企画を行い、La Monte Youngをはじめとする著名音楽家が名を連ねた”純正律ネットワーク”。その信念に賛同する音楽家を紹介したコンピシリーズの92年の第二弾。まずは、ヘブライ語の聖典の一節を用いたLarry Polanskyのコンピューター音楽『B'rey'sheet』から。その他、ボリビアの食堂で流れていたニューエイジ讃美歌をアップデートしたという奇妙なシンセポップや、純正律アンセム『The Well-Tuned Piano』も勿論収録の全15組。大推薦盤! LISTEN |